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2015年5月

2015年5月30日 (土)

野の花ハーブファームのハーブ(2015年5月)-2

今年のハーブ紹介の第二弾です。今回はセージとタイムです。

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 セージ(英:Common Sage、学名 Salvia officinalis)はシソ科セージ属の多年草または常緑低木です。地中海原産で和名はヤクヨウサルビアです。古いアラビアのことわざには、「庭にセージを植えているものが、どうして死ぬことができようか」とあるように、古くから薬効に富む薬草として有名です。また、料理、装飾にも広く使用されています。肉類の臭み消しとして、ソーセージ、ポークの詰め物などの香味料としても使用されています。

 英国王立園芸協会のハーブ大百科には、

”消化不良、ガス、肝臓機能不全、乳分泌刺激、寝汗、唾液分泌過剰(パーキンソン病など)、発汗過剰(肺結核など)、不安、憂鬱、不妊症、月経過剰に内服する。過剰摂取あるいは長期服用は有毒である。妊娠中、癲癇患者に使用してはならない。外用薬として、虫さされ、喉、口内、歯肉、皮膚の感染症、膣のおりものに有効。”

と記載されています。セージはツヨンという有毒物質を含んでいるためこの記載があります。

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タイム (thyme) はシソ科タイム属 (Thymus) の植物の総称です。一般的にはコモンタイム(Thyms vulgais)を指します。古代エジプトではミイラを作成する際の防腐剤として使われていたとされています。古代ギリシャではタイムは勇気を鼓舞すると信じられており、また、中世には悪夢を防ぎ安眠を助けるようにと枕の下に敷かれたといわれています。 タイムは肉類、スープ、シチューの香り付けにしばしば使われます。フランス料理ではブーケガルニやエルブ・ド・プロヴァンスに欠かせない食材の1つです。

英国王立園芸協会のハーブ大百科には、

”から咳、百日咳、気管支炎、気管支カタル、喘息、喉頭炎、消化不良、胃炎、下痢、小児の夜尿症に内服する。妊娠中には使用してはならない”

と記載されています。妊娠中の禁忌については諸説あり、メデイカルハーブ安全性ハンドブックでは、”適切に使用する場合安全に使用できるハーブ”に分類されています。

 

2015年5月24日 (日)

野の花ハーブファームのハーブ(2015年5月)

今年のハーブ紹介の第一弾です。今回はジャーマンカモミールとフラックスです。

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ジャーマンカモミール(Matricaria chamomilla)は、ヨーロッパから西アジアにかけて分布するキク科の一年草です。草丈60cm程になり、春先に中心の管状花が黄色で、舌状花が白い直径3cmくらいの頭花を多数咲かせせます。花にリンゴに似た特有の強い香りがあり、その名の由来(地上のリンゴ)となっています。安全で効果的なハーブとして、古くからヨーロッパ、アラビアで利用されており、リラックスのハーブとして現在でも最も人気のあるハーブであり、「ピーターラビット」の童話にも登場します。

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フラックス(学名:Linum usitatissimum)はアマ科の一年草です。カフカス地方から中東にかけての一帯が原産地とされています。古くから大麻よりも柔らかくかつ強靭で上等な繊維として利用され、日本でも明治自時代には北海道で広く栽培されていた記録があります。種子からは亜麻仁油(あまにゆ、リンシードオイル、フラックスシードオイル)が採れ、必須脂肪酸のα-リノレイン酸を豊富に含んでいるとして近年注目を浴びています。

2015年5月15日 (金)

果樹の新芽

  昨年の秋に植え付けたマルベリーとエルダーの苗ですが、無事に冬を越し、新芽がでてきました。マルベリー、エルダーとも5本づつ植え付けたのですが、マルベリーは5本とも無事に冬ごししましたが、エルダーは残ったのは2本だけでした。エルダーは苗が3号ポットで小さかったため雪に埋もれて耐えられなかったのかもしれません。

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マルベリーの新芽

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エルダーの新芽

 マルベリーは順調に育っているので、今年はちょっと無理でしょうが来年には実がなるかもしれません。

植え付けの様子はこちらです。

http://sendai-herbaroma.blogat.jp/nonohanafarm/2014/10/post-2315.html

2015年5月 9日 (土)

野の花ファームのスーパーフード?

 今話題のスーパーフード、チアシードを植え付けました。

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1.チアシードとは

 チア(学名)Salvia hispanica)は、中央アメリカ原産のシソ科の1年草で、高さ約1 mに生長し、白または紫色の小さな花をつけます。種子 (チアシード) は直径約1 mm、黒または灰色の卵型で、古代アステカで食用として用いられていました。この植物は、チアとして知られている2つの植物のうちのひとつであり、もうひとつのSalvia columbariaeは、一般的にゴールデンチアとして知られています。チアシードは、繊維質やオメガ3系の必須脂肪酸のαリノレン酸、必須アミノ酸、ミネラル(カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛)などを豊富に含んでいることが知られており、近年スーパーフードとして人気が広がっています。

2.チアシードの歴史

 チアシードは1540年〜1585間で作成された、16世紀のアステカ族の写本に記述があり、その中でチアシードとアステカ族によるその使用法が説明され、描かれています。それによれば、この植物が広く栽培され、38のアステカの地方州の21州で貢物として贈られていたことが示されています。経済史家は、チアシードは、トウモロコシと同じように広く使用された主食であったことを示唆しています。

3.チアシードの成分および現代の研究

 チアシードは、タンパク質 (15~25%) 、脂質 (30~33%) 、炭水化物 (26~41%) 、食物繊維 (18~30%) 、カルシウム、マグネシウム、鉄などを含み、脂質の60%はα-リノレン酸、20%はリノール酸からなります。ただし、産地や生育環境・年数によって大きく変動することが知られています。

 メキシコの先住民族には肥満、糖尿病、高血圧、心臓病などはなかったと伝えられており、予備的な研究がチアシードの消費による健康上の効果の可能性を示逡しています。しかし、まだこの分野の研究は少なく今後のさらなる研究がまたれています。

5.利用方法と安全性

 チアシードは、トッピングとして他の食品に添加され、またはスムージー、朝食用シリアル、エネルギーバー、グラノーラ·バー、ヨーグルト、トルティーヤ、パンに入れられ、ゼラチン様物質化に加工され、または生で消費されています。そのゲルは、他の栄養素を提供しながら、ケーキ中の卵成分と油の25%程度を代替品するために使用されています。

 安全性については、短期間、適切に摂取した場合は安全性が示唆されています。

ただし、妊娠中・授乳中に摂取した場合の安全性については、信頼できるデータが見当たらないため避けるべきであるとの記述があります。

以下は当店で販売しているチアシードの写真です。 

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プロフィール

フォトアルバム

阿部俊暢

宮城県仙台市出身。定禅寺通りのけやき並木と同じ1958年生まれ。2003年阿部代表とともに定禅寺ハーブギャラリーを開業。夢は世界中のハーブを集めたハーブ農場の開設。JAMHA認定ハーバルセラピスト、AEAJ認定アロマテラピーインストラクター。