秋は果樹の植え付けのシーズンです。今年はマルベリー5本とエルダー5本を植え付けました。


マルベリー
マルベリー(クワ:桑)は、クワ科クワ属の植物の総称です。カイコの餌として古来重要な作物で、また果樹としても利用されています。落葉性の高木で、大きいものは15mに達しますが、普段見かけるのは数m程度です。日本では桑はカイコの食べるヤマグワ(Morus bombycjs)をさしますが、漢方で使用する桑はマグワ(Morus alba)で、ホワイトマルベリーとも呼ばれています。マルベリーは古今東西を問わず、もっとも古い生薬のひとつです。マルベリーの根皮は桑白皮(そうはくひ)という生薬で、利尿、血圧降下、血糖降下作用、解熱、鎮咳などの作用があり、五虎湯(ごことう)、清肺湯(せいはいとう)などの漢方方剤に使われています。
葉はお茶として飲まれています。マルベリーの葉には1-デオキシノジリマイシン(1-deoxynojirimycin; DNJ)が含まれていることが近年の研究で明らかになっています。DNJ は、小腸において糖分解酵素のα-グルコシダーゼに結合する事でその活性を阻害することが知られており近年注目を集めています。
果実は桑の実、どどめ、マルベリー (Mulberry) と呼ばれており、地方によっては桑酒として果実酒の原料となります。その果実は甘酸っぱく、美味であり、高い抗酸化作用で知られる色素・アントシアニンをはじめとする、ポリフェノールを多く含有しています。


エルダー
エルダー(学名:Sambucus nigala:セイヨウニワトコ)はスイカズラ科ニワトコ属の落葉高木です。ニワトコ属は、新しいAPG植物分類体系ではレンプクソウ科に移されています。
10m程度に成長する落葉樹で、ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアに自生しています。夏の始めに、クリーミーホワイトの頂部の平らな小さな花の房をつけ、続いて晩夏または初秋に大きな、紫がかった黒色の、ジューシーな核果(一般に果実と呼ばれる)の大きな垂れ下がった房をつけます。エルダーフラワーおよびベリーは両方とも薬用で使用されています。医薬品としてのエルダーの使用は、ヒポクラテス(約470〜410 BCE)、大プリニウス(約23〜79 CE)、およびディオスコリデス(約40〜90 CE)の著作によれば、古代にまでさかのぼることができます。現在でもエルダーフラワーは、よく知られたハーブ薬で、利尿薬、下剤、発汗剤として使用されています。