野の花ファームのサトイモもだいぶ大きくなってきました。あと1ヶ月程度で収穫です。

サトイモの料理といえば、里芋の煮転がしや、筑前煮、イカと里芋の煮物などが一般的ですが、東北地方でまず思い浮かぶのは芋煮でしょう。これからの季節の行事としての芋煮会は、わが宮城県でもポピュラーになりましたが、今回は、その芋煮について取り上げてみたいと思います。
1.芋煮会
フリー百科事典ウイキペデイアには、"芋煮会は、日本の主に東北地方で行われる季節行事で、秋に河川敷などの野外にグループで集まり、サトイモを使った鍋料理などを作って食べる行事である。”と記載されています。
東北では青森県を除く全域で行なわれており、最近では、新潟県や関東地方でも地域の行事として行なわれているようです。芋煮会の歴史については諸説あり、江戸時代には各地にその原型が見られるようですが、今回は芋煮発祥の地として、お隣山形県の中山町を紹介しておきます。
中山町では、江戸時代に最上川舟運の船頭が河原で棒鱈を煮て食べていたという話を「芋煮会」の起源としています。下に中山町のリンクを貼っておきます。
http://www.town.nakayama.yamagata.jp/kankoukyoukai/taberu/imoni.html
芋煮会の起源は古いようですが、このように広く一般的に行なわれるようになったのは意外と新しいように思われます。NHKの各自治体へのアンケートによれば、もっとも多かったのが戦後の高度成長期以後という答えだったそうです。宮城県生まれの筆者ですが、子供の頃(約40〜50年前)は宮城県では盛んでなかったような気がします。小学生の時にお隣の山形県米沢市の親戚の芋煮会に呼ばれて感動した記憶があります。今では、仙台市内のスーパーにも、芋煮用の薪がならび、大きな鍋を貸し出すところもあります。
2.芋煮のレシピ
「芋煮」にあたる呼称には地域差がありますが、呼称以上に地域によって材料・味付けが異なります。また、同一呼称地域内でも、それぞれの集団でアレンジされ、地域的に特徴的な具材の他に、白菜・ゴボウ・油揚げ・大根・ニンジン・豆腐・きのこ類などさまざまな具材が投入されています。
主なレシピ、味付けには
「豚汁風」(豚肉・味噌味の芋煮):山形県内陸中南部を除く全域。
「とりすき風」:(鶏肉・醤油味の芋煮):北東北の内陸。「豚汁風」とオーバーラップする。
「すき焼き風」(牛肉・醤油味の芋煮):山形県内陸中南部。
「寄せ鍋風」(魚のみを入れる場合、魚と豚肉を入れる場合など様々ある。味付けも醤油味の他、味噌味もある。):三陸海岸沿岸、および、最上川の河川交通の要所。
などがあります。
参考に我が宮城県のレシピ(多賀城市の資料より)をご紹介しておきます。
宮城県 多賀城市のいも煮<豚汁>
(のべ4人分) く作り方>
豚もも肉 80g 里芋 皮をむき、乱切り
里芋 160g 大根 皮をむきいちよう切り
平こん 120g にんじん 皮をむきいちよう切り
にんじん 80g ごぽう 皮をむき、ささがき
大根 80g 白菜 ザク切り
ごほう 40g 豆腐 細の目切り
白菜 160g 長ねぎ ななめ切り
木綿豆腐 160g 平こん 短冊切り
長ねき 40g
みそ 45g
鍋に材料を入れて煮る
材料が煮えたらみそを加え鍵味する
* 食材料はこの他しめじ等を加えたりします。
* みそについてもニ種類位を混ぜて使ったりします。
特に「いも煮会」の独特なものはありません。家庭で作っている豚汁を野外で大鋼で作り食べているようです。その場合は調理器具もないので平こんは手でちぎり、豆腐はお玉で切ったりするようです。